こんにちは、ひろです!
今回は、医療費の負担を軽減するための2つの節税制度「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」について解説していきます!
9月になり、今年も残りあと3ヶ月と少し。
「今年は医療費が高かったな」「医薬品をたくさん買ったな」と感じる方も多いのではないでしょうか?
聞いたことはあるけど、申請方法や対象になるものがよくわからないですよね。
どちらも1年間にかかった医療費に対する、所得税の節税効果がある制度ですが、
それぞれ条件や使い方が異なります。
この記事を読んで、それぞれの特徴を理解し、節税から家庭の家計改善に役立てましょう!
医療費控除とは?
年間医療費が10万円を超えると節税に
医療費控除は、1年間で支払った医療費が一定額(通常は10万円または総所得の5%のいずれか低い方)を超えた場合に、確定申告で所得税の控除が受けられる可能性があります。
申請期間は翌年の2月16日から3月15日までなので、今からしっかり準備しておきましょう。
対象となる費用 | 具体例 |
---|---|
医師の診療費・治療費 | 診察費、治療費 |
入院・手術費 | 入院費、手術費 |
薬代 | 処方薬の費用 |
通院の交通費 | バス・電車代(自家用車は対象外) |
出産・介護費用 | 出産費用、介護施設利用料 |
医療費控除の対象には以下のような費用も含まれます
- 医薬品の購入費: 処方薬や、治療や療養に必要な市販薬
- 治療用具の購入・賃借料: コルセット、松葉杖、義肢、義歯など
- 通院・入院に関する費用: 通院のための公共交通機関の利用料、入院時の部屋代や食事代
- 介護サービスの自己負担額: 介護保険で提供されるサービスの一部負担額
- 治療に関連する施術費: あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などによる施術費用(治療目的のみ)
- 看護や療養の費用: 看護師による療養上の世話の費用
- 出産に関する費用: 分娩費用、妊婦健診の費用
- 特定の健康診断や予防接種の費用: 人間ドックやインフルエンザの予防接種など
医療費控除のメリット・デメリット
メリット
- • 高額な医療費がかかった場合に節税効果を期待できる。
- • 家族全員の医療費を合算できるため、条件を満たしやすい。
デメリット
- • 一定額を超えないと適用されない。
- • レシートや領収書の保管が必要で、申告の手間がある。
医療関連の費用は、念のため領収書を取っておきましょう!
今から確定申告の準備をしておきましょう!
次に、セルフメディケーション税制について詳しく見ていきます。
セルフメディケーション税制とは?
市販薬でも節税できる特例
セルフメディケーション税制は、スイッチOTC医薬品を購入した際に、年間12,000円以上の
医薬品代が対象となる場合、税金が還付される制度です。
※スイッチOTC医薬品とは、処方箋なしで薬局やドラッグストアで購入できる、医療用医薬品から一般用医薬品(OTC)に転用された市販薬
また、セルフメディケーション税制は医療費控除との併用はできません。
セルフメディケーション税制のポイント | 内容 |
---|---|
対象医薬品 | スイッチOTC医薬品(医療用から転用された市販薬) |
適用条件 | 健康診断、予防接種、がん検診などを受けていること |
控除上限額 | 88,000円 |
2022年改正ポイント | 対象品目が拡大され、利用しやすくなった |
スイッチOTC医薬品って、元々医療用だったものだから効果もしっかりしていて安心感があるんですよね。
セルフメディケーション税制のメリット・デメリット
メリット
・市販薬(スイッチOTC医薬品)の購入費用が控除対象となる
• 健康意識の向上につながる(健康診断等の受診が条件のため)
• 医療費が10万円未満でも控除を受けられる可能性がある
デメリット
- ・医療費控除との併用はできず、どちらかを選ぶ必要がある。
- ・控除額の上限が88,000円と設定されている
• 対象となる医薬品が限定されている(スイッチOTC医薬品のみ)
• 健康診断等の受診が必須条件となる
どちらを選ぶべき?医療費控除とセルフメディケーション税制の使い分け
医療費控除は家族全員の医療費を合算できるので節税につながる金額的にも
メリットは大きいです。
制度 | 向いているケース |
---|---|
医療費控除 | ・家族全体の医療費が10万円を超える ・病院での治療費が多い ・手術費用がかかる場合 |
セルフメディケーション税制 | ・通院よりも市販薬でセルフケアをすることが多い ・健康診断や予防接種を受けている ・市販薬代が多い場合 |
医療費控除とセルフメディケーション税制の計算例
医療費控除の計算例
- 年収:600万円
- 家族構成:夫婦と子供2名(配偶者控除、扶養控除適用)
- 医療費支出額:60万円
1. 課税所得の計算
年収600万円の場合、給与所得控除や各種控除(基礎控除48万円、配偶者控除38万円、扶養控除76万円)を引くと、課税所得は次のようになります。
課税所得 = 600万円 – 164万円(給与所得控除) – 48万円 – 38万円 – 76万円 = 274万円
2. 医療費控除額の計算
医療費控除は、「実際に支払った医療費 – 10万円(または所得の5%のうち低い方)」で計算されます。この例では、控除額は次の通りです。
医療費控除額 = 60万円 – 10万円 = 50万円
3. 節税効果の計算
課税所得に対する税率は10%なので、医療費控除額50万円の節税効果は以下の通りです。
• 所得税の減税効果
50万円 × 10% = 5万円
• 住民税の減税効果
50万円 × 10% = 5万円
• 合計の節税効果
5万円 + 5万円 = 10万円
結果
医療費控除による節税効果は、合計で約10万円となります。
医療費が高額な場合には、大きな節税効果が期待できます。
セルフメディケーション税制の計算例
- • 年収:600万円
• セルフメディケーション対象購入額:10万円
1. 控除額の計算
セルフメディケーション税制では、対象商品の購入額から1.2万円を差し引いた額が控除対象です。
控除額 = 10万円 – 1.2万円 = 8.8万円
2. 節税効果の計算
所得税と住民税の減税効果は次のように計算します。
• 所得税の減税効果(税率10%の場合)
所得税の減税効果 = 8.8万円 × 10% = 8,800円
• 住民税の減税効果(税率10%)
住民税の減税効果 = 8.8万円 × 10% = 8,800円
• 合計の節税効果
8,800円 + 8,800円 = 17,600円
結果
セルフメディケーション税制の利用で、対象商品の購入額が10万円の場合、
約17,600円の節税効果が期待できます。
上限に達するため、購入額を増やしても控除額は変わりません。
申請方法と手続きの流れ
どちらも確定申告が必要ですが、手続きはそんなに難しくないですよ!
医療費控除・セルフメディケーション税制の申告方法
- レシートや領収書の保管
- 両制度とも、医療費やスイッチOTC医薬品のレシート・領収書を5年間保管する必要があります。
- • 健康診断や予防接種の記録
- セルフメディケーション税制では、健康診断や予防接種、特定健康診査などの
記録が必須条件となります。これらの記録も忘れずに保管しましょう。 - • 確定申告書への記入
- 申告時には、それぞれの制度に対応した「医療費控除の明細書」または「セルフメディケーション税制の明細書」に必要な情報を記入します。
正確な記載が求められるため、申告時に間違いがないよう注意しましょう。
申告の条件
- • 医療費控除:年間の医療費が「10万円(または所得の5%のいずれか低い方)を超える」場合に適用されます。
- • セルフメディケーション税制:年間のスイッチOTC医薬品購入額が1.2万円を超えることが条件です。
- • 対象となる医薬品や支出
- • 医療費控除:病院での診察費、処方薬など医療費全般が対象となります。
- • セルフメディケーション税制:すべてのOTC医薬品ではなく、特定の「スイッチOTC医薬品」が対象です。
- • 控除額の上限
- • 医療費控除:控除額の上限は200万円です。
- • セルフメディケーション税制:控除額の上限は8.8万円となります。控除額が上限に達しても、それ以上は控除されません。 レシートの保管:スイッチOTC医薬品のレシートや領収書を5年間保管する必要があります。
まとめ
自分に合った制度を選んで賢く節税しよう!
医療費控除とセルフメディケーション税制は、それぞれの生活スタイルや支出に合わせて選べる制度です。
医療費が多くかかる年には医療費控除、市販薬の利用が多い年にはセルフメディケーション税制を活用することで、家計の負担を減らせます。
毎年見直して最適な制度を利用しましょう!
自分に合った制度を選んで、上手に節約していきたいですね!
これからも、役立つ情報をどんどん共有していきますので、
引き続きよろしくお願いします!