みなさんこんにちは!ひろです。
今回は
意外と知らない給与明細の読み方シリーズ第1弾として、
【源泉所得税】について解説していきます。
毎月の給与明細に『所得税』として記載されている項目、なんとなく眺めて終わりにしていませんか?
実はこの金額は、給与から天引きされている『源泉所得税』、
年末調整や確定申告の際に非常に重要な役割を果たします。
この記事では、【源泉所得税】の内容や計算方法、自分で把握しておくことのメリット、さらに経営者にとっての重要性についてお話しします。
一緒に給与明細について勉強していきましょう!
源泉所得税とは?
【源泉所得税】とは、会社が給与や報酬を支払う際に、支払者が
所得税をあらかじめ天引き(源泉徴収)し、国に納付する制度で課される
『税金』のことです。
給与明細に記載されている「所得税」が、毎月天引きされている源泉所得税の金額にあたります。これは、最終的な税額ではなく、1年間の所得税を分割して先払いしているイメージです。
源泉所得税の計算方法
源泉所得税は、国税庁が公開している「給与所得の源泉徴収税額表」をもとに計算されます。
この表には、給与の支給額や扶養控除の有無などを考慮して、税額が定められています。
国税庁:令和6年分 源泉徴収税額表
計算の大まかな流れ:
1. 課税対象額を算出
総支給額から非課税項目(交通費など)、社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険)を差し引きます。
2. 税額表に基づいて税額を決定
課税対象額と扶養控除申告書の内容をもとに、「給与所得の源泉徴収税額表」で該当する税額を確認します。
具体例:
• 月収35万円(扶養親族等の数2名)の場合:
• 課税対象額:35万円 – 社会保険料約5万円 = 30万円
• 源泉所得税:税額表に基づき5,130円
なお、年末調整で1年間の源泉所得税の合計額が調整され、不足分は徴収され、過剰分は還付されます。
出典:国税庁 令和6年分 源泉徴収税額表より
自分で把握しておくメリット
源泉所得税は給与計算担当者に任せっきりにしてしまいがちですが、
自分でも仕組みを理解し金額を把握しておくのも良いと思います。
1. 計画的な家計管理ができる
源泉所得税を把握しておくことで、毎月の収入と手取りの差額が明確になり、節約や貯金の計画を立てやすくなります。
2. 年末調整や確定申告でのミスを防げる
控除が漏れていた場合や、還付が少ない場合に気付くきっかけになります。自分で理解していると、税金面で損をするリスクを減らせます。
3. 給与明細の解像度が上がる
源泉所得税をきっかけに、その他の項目(社会保険料や住民税)についても理解が深まり、給与明細を「ただ見る」から「管理する」へと意識が変わります。
経営者にとっての源泉所得税
経営者にとって、源泉所得税は社員の給与から天引きした金額を、会社が責任をもって国に納付する重要な業務です。
会社員であっても経営者目線を持っておくことで、
独立したり、上の立場の目線を養うことにも繋がります。
キャッシュフロー管理の重要性
• 社員分の源泉所得税の納付を忘れない:源泉所得税は一時的に会社のキャッシュフローを圧迫する要因となるため、計画的な資金管理が必要です。
• 経費としての税金を可視化する:給与や税金を含めた全体のコストを把握し、経営判断に役立てます。
会社としての資金繰りだけでなく、社員のために正確に処理することで、健全な経営を実現することができます。
まとめ
【源泉所得税】は、給与や報酬からあらかじめ天引きされる税金であり、年末調整や確定申告の際に調整される重要な仕組みです。
この記事では、その基本的な内容から計算方法、自分で把握しておくメリット、さらには経営者にとっての意義について解説しました。
個人にとってのポイント
• 家計管理がスムーズに:源泉所得税を把握することで、収入と手取りを明確にし、貯蓄や投資の計画を立てやすくなります。
• 年末調整や確定申告で損をしない:控除の漏れや計算ミスを防ぎ、税金に対する意識が高まります。
• 給与明細の全体像が見える:源泉所得税をきっかけに、社会保険料や住民税など他の項目にも目を向け、給与全体の仕組みを理解できます。
経営者にとってのポイント
• 社員の信頼構築と健全な経営:正確な税務処理は社員からの信頼を得る基本です。
• キャッシュフロー管理の向上:源泉所得税の納付計画を資金繰りに組み込むことで、経営の安定に寄与します。
給与明細をただ眺めるだけではなく、その中身を深く理解することで、
家計管理やキャリアアップ、経営判断にまで活用できる情報源となります。
この記事をきっかけに、ぜひ一歩進んだ「給与明細の読み方」を学び、より計画的な生活と仕事を実現してみてください!
次回は『給与明細の社会保険料』の内訳を解説していきます!
身近なものをあらためて学ぶため
今後も一緒に学んでいきましょう!