「あの商談、たしかご予算のことで悩んでたよな……いや、保証の話だったか?」
個人のお客様向けの営業をしていると、1日に何件もお宅を回ります。そのたびに交わす会話は、見積もりにも、その後のご提案にも直結する大事な情報の塊です。ところが──そのメモを書くのは、たいてい全部のアポが終わった夜。記憶はもう半分くだけ落ちていて、思い出しながら打ち込む時間が、地味に残業を生んでいました。
40代、3児の父。本業のあとには副業もある。「商談メモのために残業する」のだけは、どうしても無くしたかった。
そこで1ヶ月、商談メモづくりをまるごとClaude(AI)に任せてみました。結論から言うと、これはもっと早くやればよかった。今日はその実録です。
結論:メモが「30分→10分」になり、空いた時間が“商談の質”に変わった
先に1ヶ月の結果をまとめます。
- 1日3件分の商談メモ作成が、合計30分 → 10分に短縮
- しかも10分の中で、文字起こし → 要約 → 次回商談の方向性出しまで完了
- 「言った/言わない」の抜け漏れがほぼゼロに
- 商談中はメモを取らずお客様の目を見て話せるようになった
- そして一番大きいのが──空いた時間を“次の商談の準備”に回せるようになった
単なる時短ではありません。メモに溶けていた時間が、顧客カルテの整備や提案資料づくりといった“商談の質を上げる準備”に変わった。これが1ヶ月で一番効いた変化でした。順番に公開します。
そもそも、なぜ商談メモが営業の“生命線”なのか
ご家庭向けの高額な商材は、1回の商談で決まることはまずありません。下見、見積もり、お支払いプランの試算、ご家族での検討──何度もやり取りが続きます。だからこそ、前回お客様が何に不安を感じ、何にうなずいたかを正確に覚えていることが、次の一手の質を決めます。
なのに現実は、商談メモが一番おろそかになりやすい。お客様の前で下を向いてノートに書き込むのは失礼だし、後回しにすれば記憶は薄れる。この「大事なのに後回しにされる作業」こそ、AIに任せる価値が一番大きい場所でした。
【商談前】Claudeで“想定問答”を5分で作る
商談の前、移動の車内やスキマ時間に、スマホのClaudeアプリでこう投げます。
「4人家族で、はじめて大きな買い物を検討しているお客様。想定される質問と不安を10個、それぞれの返し方とセットで出して」
すると、価格・保証・アフターサービス・お支払いへの不安まで、聞かれそうなことが一覧で返ってきます。全部が当たるわけではありませんが、「聞かれて言葉に詰まる」事故が激減しました。頭の準備運動として優秀です。
このあたりの“Claudeを壁打ち相手に使う感覚”は、別記事の9ヶ月前にやめた私がまた使い始めたら秘書になっていた話とまったく同じです。
【商談中】PLAUD NOTEで録音。手はお客様に、耳はAIに
商談中は、もうメモを取りません。代わりにPLAUD NOTEで会話を録音しておきます。胸ポケットに入る小さなICレコーダーで、ボタンひとつ。お客様には「記録のために録音させてください」と一言お断りすれば、嫌な顔をされたことはありません。
むしろ、思いがけない効果がありました。メモを取らずに話を聞くようになってから、お客様に「ちゃんと話を聞いてくれる」「寄り添ってくれる」と評価していただけることが増えたのです。下を向いてメモを取るのをやめ、目を見て相槌を打つ。たったそれだけで、“聞き漏らさない姿勢”そのものが信頼につながると実感しました。録音はそれを支える裏方です。
PLAUD NOTEそのもののレビューはPLAUD NOTEで仕事が変わった話に詳しく書いたので、ガジェットの中身が気になる方はそちらへ。
【商談後】文字起こし→Claudeで要約→“方向性”まで一気に
商談が終わったら、録音を文字起こしします。ただ、文字起こしは“そのまま”だと使えません。雑談も言い淀みも全部入った長文だからです。そこでClaudeの出番。文字起こしを貼り付けて、こう指示します。
「この商談の文字起こしを、①お客様の要望 ②不安点 ③こちらの宿題(次回までにやること)④温度感(5段階)⑤次回商談の方向性、に分けて整理して」
返ってくるのは、整った議事録に“次の一手”までセットになったメモです。1日3件まわっても、この一連が合計10分。以前は記憶を掘り起こしながら30分かけていたことを思うと、別世界でした。
空いた時間は「次の商談の準備」へ
そして、ここからが本当の変化です。短縮できた時間を、私は次の商談の準備に使うようになりました。
- 要約をNotionの顧客カルテに格納し、お客様ごとの履歴を育てる
- 必要なら提案資料を作成(Claude Codeで骨子 → ChatGPTで図解化)
- 次回、何を持っていけば刺さるかを落ち着いて考えられる
「文字起こしを、目的の形に整え直す」というこの使い方は、記事執筆とまったく同じです。やり方をまとめたのが3時間かかってた記事が1時間になったAI執筆ワークフロー。営業も執筆も、AIの使いどころは同じだと気づきます。
1ヶ月のビフォーアフター
Before(AIに任せる前)
- 商談メモは夜にまとめて、記憶を頼りに作成
- 1日3件分で合計30分、しかも「あれ何だっけ」の思い出し付き
- 抜け漏れがあり、次回の訪問で同じ質問をしてしまうことも
After(録音×Claude×Notion導入後)
- 商談直後〜移動中に、録音→要約→方向性出しまで完了
- 1日3件分が合計10分に短縮
- Notionの顧客カルテに溜まるから、記憶を掘り起こす必要がなくなった
- 空いた時間を、提案資料や次回準備という“質”に回せるようになった
補足すると、夜の“思い出し残業”が消えた一番の理由は、実はPLAUDよりもNotionにお客様ごとの履歴が積み上がっていく仕組みにあります。記録が残る場所があるから、頭で覚えておかなくていい。録音とAI要約は、その仕組みに“きれいなデータ”を流し込むための入口です。
1ヶ月やってわかった、効いたこと・注意点
効いたこと
- AIに任せる前提だと、商談に100%集中できる
- 要約のフォーマットを固定すると、案件比較がしやすい
- スマホで完結するので、その場で次の準備に入れる
注意点(ここは正直に)
- 録音は必ず一言お断りする。信頼関係が第一
- お客様の個人情報を含むので、扱いには細心の注意。社内ルールの範囲で運用すること
- AIの要約は“たたき台”。最後は自分の目で必ず確認する
これは営業以外にも効く
同じ仕組みは、社内会議でも研修でも使えます。録音→要約→蓄積のループは、議事録が必要なあらゆる場面で時短になります。「人の話を、後で使える形に残す」仕事はすべて対象です。
まとめ:商談メモは、もう自分で抱えなくていい
商談メモは、営業にとって大事なのに一番おろそかになる作業でした。それを「録音 × Claude要約 × Notion蓄積」に任せた1ヶ月で、1日30分が10分になり、空いた時間は“商談の質を上げる準備”に変わりました。
特別なスキルは要りません。必要なのは、小さなレコーダーと、Claudeに“目的の形”を指示する一文、そして記録を溜める場所だけ。もしあなたが「メモが苦手」「議事録に追われている」なら、まず1件、試してみる価値は十分あります。
- Claudeをまだ触っていない人 → Claudeの始め方と正直レビュー
- 録音ガジェットが気になる人 → PLAUD NOTEで仕事が変わった話
- AIで仕事を時短したい人 → 3時間の作業を1時間にしたAI活用フロー
※本記事は筆者の実体験に基づきます。お客様情報の取り扱いは、勤務先のルールに従って行っています。
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