健康診断の結果を開いたら、見たことのない数字が並んでいました。
空腹時血糖 311(基準値:70〜99)
HbA1c 14.7%(基準値:5.5以下)
判定:D(要治療)
49歳、営業職。体調は「ちょっと疲れやすいかな」程度。まさか自分が、と思っていた糖尿病でした。
この記事は、健診D判定から10日で人生初の入院(しかも即日入院)になった僕が、AIを”秘書”にして受診準備・お金の試算・病院選びを乗り切った実録です。いま、入院初日の病室ベッドでこれを書いています。
同じように健診結果を握りしめて固まっている人に、「何をどの順番でやればいいか」が伝わればうれしいです。
この記事は、こんな人に読んでほしいです。
- 体調は悪くないけど、仕事が忙しくて健康は後回しのアラフォー・アラフィフ男性
- なんとなく疲れが溜まっているけど、忙しくて病院に行けない人
- 健康診断でD判定が出ても「まあ大丈夫だろう」と甘く見ている人(←1ヶ月前の僕)
- 入院になったらお金が心配。でも誰に聞けばいいかわからない人
- AIって話題だけど、こんな使い方もできるの?と思っている人
ひとつでも当てはまったら、5分だけ付き合ってください。
健診D判定の正体——「様子見」レベルではなかった
正直、最初は「痩せたし、体調も悪くないし、来月あたり病院に行けばいいか」と思っていました。
その認識をAI(Claude)に打ち砕かれます。健診結果の写真を見せて相談したら、返ってきた答えの要点はこうでした。
- 血糖311+HbA1c14.7+尿ケトン体(+)の組み合わせは「生活改善で様子見」のレベルではない
- ケトン体は、体が糖をエネルギーにできず脂肪を燃やして生き延びているサイン。放置するとケトアシドーシス(意識障害を起こしうる急性合併症)のリスク
- 数日以内に糖尿病内科を受診すべき。体調が良くても、です
「体調がいいから大丈夫」がいちばん危ない思い込みでした。HbA1cは過去2〜3ヶ月の血糖の平均値。つまり僕の体は、数ヶ月ずっと高血糖のまま走り続けていたことになります。
思い当たる節しかない、この1年
AIに1年分の生活を時系列で話したら、原因がきれいに一本の線になりました。
- 1年前まで:ジム週3〜4回、体重80kg、筋肉量多め。配送バイトで体も動かしていた
- 転職を機に:運動がほぼゼロに。かわりにコンビニスイーツが週5の習慣に
- 年明け〜3月:仕事が激務。休みは月4日。寝不足で運転中にヒヤリとしたことも
- 6月:甘いジュースにはまり、500mlを1日2〜3本
- 気づけば:喉が異常に渇く、トイレが近い、だるい。そして体重が80kg→68kgに(−12kg)
あとから知ったのですが、これは「ペットボトル症候群」と呼ばれる典型パターンだそうです。高血糖→喉が渇く→ジュースで潤す→さらに高血糖……の無限ループ。
僕は「甘いものを飲んでも、水をたくさん飲めば薄まる」と本気で思っていました。薄まりません。糖は飲んだ分だけ全部血液に入ります。喉の渇きは「薄めたい」ではなく「高血糖で失われた水分を補充したい」という体の悲鳴でした。
そして一番ゾッとしたのはこれです。食欲は旺盛なのに痩せていくのは、インスリン不足で糖をエネルギーにできず、体が筋肉と脂肪を燃やして生き延びているサインだったこと。「食べても太らない」を少し喜んでいた自分を殴りたい。
AI秘書と受診準備——病院に行く前にやったこと
ここからAIが本領発揮でした。受診までの数日で準備したもの:
① 医師に見せる「受診メモ」(A4・2枚)
1年分の経過の時系列表、健診結果の要点、医師への質問リスト8個。AI(Claude)との会話をそのままWord文書にしてもらいました。診察って緊張して言いたいことの半分も言えないので、紙で渡せるのは本当に強い。
② お金の試算
入院になったら家計はどうなるか。AIに健康保険組合の給付制度を調べてもらったら——
- 高額療養費制度で、医療費の自己負担は月8〜9万円が上限
- 加入している健保組合独自の「入院給付金」で1日約5,000円が支給される
- 差し引きすると、2週間入院しても実質負担は5〜8万円程度
この試算があったおかげで、「入院=家計崩壊」の恐怖が消えて、治療に前向きになれました。お金の不安は、調べれば大半が消える種類の不安でした。
③ 病院選び
自宅から通いやすい範囲で、糖尿病専門医がいて教育入院に対応している総合病院をAIがリストアップ。通院は月1回×何年も続くので「家の近く」を最優先にしました。
「専門科の予約は月末です」——ここが最大の壁だった
意気込んで病院に電話したら、返ってきたのは想定外の一言。
「内分泌・糖尿病内科の初診予約は、月末になります」
血糖311を抱えて2〜3週間待ち。ここで引き下がっていたら、この記事はありませんでした。
その日は朝から体がだるかったこともあり、健診結果一式を持って病院の受診相談窓口に直接行き、事情を話しました。すると——
「今日、内科で受診しましょう」
その場で血液検査をしてもらった結果は——血糖値426、HbA1c 14.3。
健診の311から、さらに上がっていました。甘いジュースをやめて、体調はだいぶ良くなっていたのに、です。「楽になった」と「治ってきた」はまったくの別物でした。自覚症状は、あてになりません。
医師の判断は、「このまま入院してください」。即日入院でした。
健診D判定+症状があるなら、予約の空き枠を待たなくていい。健診結果を持って「受診相談窓口」に直接相談する。病院には緊急度で動く仕組みがちゃんとあって、D判定の健診結果はそれを動かす通行証になる。
ちなみに紹介状がなくても、健診の「精密検査指示」の文書があれば、大病院の初診にかかる選定療養費(7,700円)が免除されるケースが多いです(病院の公式サイトの免除条件に書いてあります)。これもAIに教わりました。
入院初日——点滴、インスリンデビュー、そして「足りない夕食」の発見
入院初日の治療は、まず点滴から。数ヶ月の高血糖で体がカラカラに脱水していたので、インスリンの前に水分と電解質を戻すのが定石だそうです。
そして夕食前、人生初のインスリン注射。(初日は看護師さんが打ってくれて、自己注射の練習は週明けからだそうです)
その夕食がこちら。

ご飯はきっちり計量、おろしソースの主菜にオクラ、青菜の和え物、白菜ときのこの副菜、お汁。正直な感想は「え、これだけ?」でした。外食の牛丼やラーメンと比べたら半分以下の体感です。
ところが、不思議なことに気づきました。
量は全然足りないのに、空腹感が少ない。
看護師さんに聞いた話と合わせると、こういうことのようです。今までの僕は、食べても糖が細胞に届かず、体が常に飢餓信号を出していた(だから食欲だけが旺盛だった)。点滴とインスリンで糖がようやく細胞に届くようになり、「本当の満腹」を数ヶ月ぶりに感じている——治療1日目にして、体はもう変わり始めていました。
ここまでの教訓まとめ
- 健診D判定は「来月行こう」ではなく「今週行く」。体調が良くても、数字は数ヶ月分の蓄積
- 体調の改善と血糖値は別物。僕は「良くなってきた」と感じながら、健診の311から426まで上がっていた
- 「専門科の予約が先」の壁は、受診相談窓口への直接相談で突破できる。健診結果一式が通行証
- 甘い飲み物は水で薄まらない。「喉が渇く→甘い物で潤す」は危険なループ
- 食べても痩せるのは良いことではない。むしろ一番重いサイン
- お金の不安は先に潰せる。高額療養費制度+健保の給付金を調べれば、入院の実質負担は見える化できる(僕の試算は5〜8万円。実額は退院後の後編で公開します)
- AIは受診メモ・制度調べ・病院探しの「秘書」として最強。ただし診断と治療の判断は必ず医師と。AIはあくまで準備を手伝う相談相手です
後編予告
このあと1〜2週間の入院で、インスリン自己注射の練習、糖尿病教室、そして退院会計が待っています。後編では教育入院の費用の実額(請求書公開)、入院生活のリアル、血糖値がどう下がっていったかのグラフを全部書きます。
同じ数字を見て固まっているあなたへ。大丈夫、動けば道はあります。まず健診結果を持って、窓口へ。
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