健康診断で血糖値311・HbA1c14.7のD判定。「専門科の予約は月末」と言われた朝、受診相談窓口に健診結果を持って直接相談したら、その日のうちに入院が決まった——そこまでが前編でした。
後編は、入院してから退院までの9日間の記録です。血糖値がどう下がったか、治療がどう変わっていったか、そして病室で何を考えたか。これから同じ経験をするかもしれない誰かのために、全部書きます。
まず結果から:9日間の血糖値グラフ

入院した日の血糖値は426。健診の時よりさらに上がっていました。
それが退院日の朝には116。目標ラインの140を大きく下回る、期間中いちばんの数字で家に帰ることになりました。
グラフを見ると、ただ一直線に下がったわけではないことが分かると思います。途中で上がった日もある。でもその一つ一つに理由があって、それが分かるようになったことこそ、この入院の最大の収穫でした。
治療の流れ:点滴→注射4本→飲み薬へ
僕の治療は、ざっくり4段階で変わっていきました。
第1段階(初日〜):点滴とインスリン注射
まず脱水の補正から。高血糖は体の水分を奪います。あの異常な喉の渇きの正体です。そして毎食前のインスリン注射が始まりました。
第2段階(3日目〜):数字が動き出す
426→243→190。数字が下がるたび、体が軽くなっていくのが分かりました。異常な口渇が消え、夜中のトイレがゼロになり、かすんでいた目が少しずつ見えるように。発症した時と逆の順番で、症状が消えていく。体が回復する過程を、こんなにはっきり自覚したのは初めてでした。
第3段階(6日目〜):飲み薬へのバトンタッチ
血糖値が140前後まで下がると、インスリンが減り、飲み薬が始まりました。「注射の支えを外しても、自分の膵臓と薬で回せるか」のテスト期間です。※薬の内容は人によって全く違います。あくまで僕のケースです。
第4段階(9日目):退院後の形が決まる
最終的に、注射は1日1〜2回+飲み薬という「仕事をしながら続けられる形」に落ち着きました。毎食前に打っていた頃と比べたら、生活への組み込みやすさが全然違います。
病院食は「最高の教材」だった
入院中の食事は、正直、最初は「足りない」と感じました。でも不思議なことに、空腹感はあまりない。
毎食、野菜とタンパク質がちゃんとあって、ご飯は決まった量。これを9日間続けて分かったのは、「これが正しい量なんだ」ということでした。今までの自分の「普通盛り」が、実は多かった。
食事の写真は毎食撮りました。退院後の食事を組み立てる時の「見本帳」にするためです。これはおすすめします。スマホ1つでできる、最強の栄養指導の記録です。
予想外の発見:スクワットが血糖値に効いた

入院中盤から、主治医の許可のもとで食後のスクワットを始めました(※血糖値が高い間の激しい運動は逆効果になることがあります。必ず医師に確認してください)。
すると面白いことが起きました。スクワットをした日は血糖値が低く、休んだ日はポコッと上がる。グラフにすると一目瞭然でした。
筋肉は食後の糖を引き受けてくれる「受け皿」です。1年前までジムに通っていた僕にとって、「筋トレが治療になる」というのは、暗いニュースだらけの入院生活で一番うれしい発見でした。この話は別記事で詳しく書く予定です。
お金の話:個室に移った夜
入院生活で一つ、想定外の出費をしました。差額ベッド代、1日11,000円の個室です。
最初は大部屋にいたのですが、同室の方の咳で眠れない夜があり、悩んだ末に個室に移りました。血糖値を治しに来て睡眠を削ったら本末転倒だ、という判断です。
高額療養費制度は治療費を守ってくれますが、差額ベッド代は対象外・全額自費。ここは知らないと請求書で驚くポイントです。入院費用の全額公開は、近日中に別記事で書きます。
病室で見つけたもの
9日間、時間だけはたっぷりありました。
その時間で、僕は本を1冊読み、3年日記を始め、自分の人生を10代から振り返るということをやりました。49年生きてきて、初めてです。
入院は間違いなくバッドイベントです。お金もかかったし、仕事にも穴を開けた。でも——強制的に立ち止まらされたことで、見えたものがある。健康の大切さを身をもって知ったことも含めて、この9日間は「損失」ではなく「経験」として、これからの人生のプラスに変わっていく気がしています。
……と、綺麗にまとめたいところですが、正直に言えば「もう二度と入院はしたくない」です。だからこそ、退院後の生活を本気で変えます。その記録も、このブログで続けていきます。
退院の日
退院日の朝、最後の血糖測定は116でした。426で運ばれてきた9日前の自分に見せてやりたい数字です。
正直に書くと、今回の入院は経済的にも身体的にも大きなダメージでした。28万円の請求書と、空けてしまった仕事の穴。それは事実です。
でも同じくらい正直に書くと——良い経験でもありました。
「何事にも調子に乗ってはいけない」。以前の失敗から学んだつもりでいました。でも、その最中には気づかないものなんですね。健康には自信があったし、筋力もあった。だから健康診断の数字を、どこかで甘く見ていました。
今回、僕を救ったのは自分の判断力ではありません。家族や友人の助言、そして健診結果が出たその日にAIに相談したこと。それで行動が明確になり、「専門科の予約は月末」と言われた壁を越えて、入院までの期間を大幅に縮められました。早く動けたから、早く治療が始まった。それだけのことです。
目の前の問題に悩むのではなく、行動することで解決する——49歳にして、身をもって学び直しました。
まとめ:9日間で学んだ5つのこと
- 数字は嘘をつかない——自覚症状が消えても血糖値は下がっていなかった。逆に、数字が下がれば体は正直に楽になる
- 治療は「引き算」していくもの——点滴→注射→飲み薬へ。ゴールはインスリン卒業
- 食事は量。病院食が教科書
- 筋肉は薬——食後のスクワットは数字に出る
- 入院はお金の勉強にもなる——高額療養費・マイナ保険証・差額ベッド。知識の差がそのまま金額の差になる
同じように健診の数字で頭が真っ白になっている人へ。怖いのは数字じゃなくて、数字を見ないことです。この記録が、誰かの「病院に行くきっかけ」になったら、9日間の元は取れたと思っています。









